インフルエンザにかかってしまったら、
発症後48時間以内であれば
抗インフルエンザ薬の効果が期待できます。
ただし発症後すぐに受診しても検査で陽性反応が出ない場合がありますので、
12時間以上経過した時点で受診し、
陽性反応が出た場合は抗インフルエンザ薬を処方してもらい、ウイルスが増えるのを抑えましょう。
早めに医師の診断を受けなければ
根本的な治療は間に合わなくなり、
かえって長期間寝込むことになってしまう恐れがあります。
抗インフルエンザ薬は体内のインフルエンザウイルスの増殖を抑える薬です。
経口薬と吸入、点滴、小児用のドライシロップがあります。
いずれも健康保険が適用されます。
その中でも主な抗インフルエンザ薬をご紹介します。
ゾフルーザ
製造販売 | 塩野義製薬 |
服用方法 | 経口 |
用法・用量 | 1回内服 |
2018年2月に厚生労働省に承認され、2018年3月に発売されたばかりの新しい治療薬です。
1回だけの服用で済みますし今までの治療薬に比べて使いやすいため、「ゾフルーザ」に人気が集まっているようです。
「ゾフルーザ」は
ウイルスが細胞内で増えるのを抑える働きがある唯一の薬で、
タミフルなどの既存薬とは仕組みが異なります。
服用翌日の患者から検出されるウイルス量が少ないため、
感染拡大を抑える効果が期待されています。
体重が10㎏以上の子供であれば服用可能ですが、錠剤ですので小さな子供には飲みにくいので処方を避けるケースもあるようです。
現時点で目立った副作用の報告はありません。(2019.1.25現在)
しかし、十分なデータがないのと治験では判明していない副作用が出る可能性はあります。
そんな利便性の高い新薬「ゾフルーザ」ですが、
「ゾフルーザ」を投与したことで、
薬が効かない耐性ウイルスが確認されました。
治験で耐性ウイルスが
タミフルなどの他の薬と比べて高いので
慎重な使用が必要です。
耐性ウイルスを保有する患者は回復に時間がかかりますし、ウイルスが薬に対する抵抗力を持ってしまいますので、薬で増殖を抑えられなくなり、
薬が効かなくなります。
そのため薬自体が使えなく恐れもあります。
現状では問題はないようですが、慎重な使用が必要なようです。
タミフル
製造販売 | 中外製薬 |
服用方法 | 経口 |
用法・用量 | 1回2回、5日間内服 |
一番有名な抗インフルエンザ薬です。
世界中で使われており、一番臨床データが多いです。
予防に使う場合は1日1回7~10日間服用を処方してもらえます。
ワクチン同様、
予防で使用する場合は保険のきかない自費診療です。
ウイルスが細胞内で増殖後、
細胞の外に出るのを抑える働きがあります。
頻度は低くタミフルとの因果関係は不明なようですが、幻覚が見えたり転落等に至るおそれのある
異常行動が副作用として現れることがありますので、
タミフルを飲んでも飲まなくてもインフルエンザにかかった10代の患者には
注意が必要です。
タミフル後発薬
製造販売 | 沢井製薬 |
服用方法 | 経口 |
用法・用量 | 1回2回、5日間 |
タミフルのジェネリックが2018年9月から沢井製薬から発売になりました。
国内唯一のタミフルの後発薬です。
ウイルスが細胞内で増殖後、
細胞の外に出るのを抑える働きがあります。
お薬代はタミフルの半分位の金額です。
リレンザ
製造販売 | 英グラクソ・スミスクライン |
服用方法 | 吸入 |
用法・用量 | 1回2回、5日間 |
タミフルの次に臨床データが多いです。
予防で使用する場合は1日1回10日間服用を処方してもらえます。
ワクチン同様、
予防で使用する場合は保険のきかない自費診療です。
ウイルスが細胞内で増殖後、
細胞の外に出るのを抑える働きがあります。
イナビル
製造販売 | 第一三共 |
服用方法 | 吸入 |
用法・用量 | 1回 |
処方されたら1回吸入するだけでよい治療薬です。
「リレンザ」と同じ吸入剤ですが、「リレンザ」に比べて利便性が高いです。
ウイルスが細胞内で増殖後、
細胞の外に出るのを抑える働きがあります。
ワクチン同様、
予防で使用する場合は保険のきかない自費診療です。